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稀勢の里、横綱昇進、その長い道のり

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大関・稀勢の里(30)が、22日の千秋楽で、横綱・白鵬に勝ち
白星をあげ、横綱昇進の運びとなった。

’98年の3代目若乃花以来19年ぶり、
平成に入って初めての日本人横綱

その道のりは長かった。

まれな勢いで駆け上がれ

稀勢の里の本名は、荻原寛(ゆたか)
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(C)blog.goo.ne.jp
茨城県生まれで、少年時代は地元の強豪・常総学園から
注目される程の野球少年だったという。

しかし天才が注目され多額の契約金を勝ち取り一軍に入る野球を選ばず、
努力すれば天才に近づけ、勝てると信じ、野球を断念。

『角界一の稽古』を誇るといわれる鳴門部屋(現在の田子の浦部屋)に入門。
1日30番とれば熱心と言われる稽古を
三倍以上、100番取り続けた。

その甲斐もあり、十両、新入幕とも歴代2位の早さで昇進。
親方は『稀な勢いで駆け上がれ』という意味合いを込めて
四股名に『稀勢の里』とつけた。

しかし、そこからが長かった。

横綱の時代が変わる

横綱審議会が横綱に推薦する内規は、
『大関で2場所連続優勝、もしくはそれに準ずる力士』の事である。
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(C)sumououen.com
稀勢の里は、前者の様な派手な快進撃を成し遂げるタイプではなかった。
地道にコツコツと積み上げた事を結果にだす力士だった。

その結果、新入幕から初優勝まで
73場所もかかってしまう。

大関在位も31場所とワースト2にあたる。

今回の昇進審査も、横綱・日馬富士、鶴竜、大関・豪栄道の欠場と
力のある力士の欠場が相次いだ為、審査の対象になるかどうか疑問視されていた。

しかし、直近の4場所が準優勝で欠場回数が少ない事、
3横綱を土につけた事が評価された事から、横綱昇進の運びとなった。

逆転サヨナラホームランばかり打てるパワルルで完璧な力士を
角界が待っていては、横綱はこれから先、生まれてこない。

3ベースヒットを打ち、毎回怪我なく出場出来る野球選手の様な
横綱も必要なのだ。

弟弟子が背中を押した

稀勢の里と白鵬には少なからず因縁がある。

白鵬の連勝記録をストップさせたのも稀勢の里で、
今回、9日目に、白鵬を打ち破ったのは、稀勢の里の
弟弟子である、小結・高安(26)だ。
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(C)yomiuri.co.jp
白鵬に勝てないまま、この場所を終えるのか・・・と思っていた
稀勢の里の背中を押したのは、弟弟子の勝利だった。

白鵬の連勝記録をストップさせた後も、
幾度となく、ぶつかり稽古に赴いた稀勢の里だったが、

『きちんと四股を踏め』
『大関は強ければなれる、横綱は宿命だ。
相撲だけ強くてもだめ、日頃の行いを鍛錬しろ。』

と、戒められていた。
偉大なる横綱から問いかけられていた
『横綱になるための力量と心構え』の答えを、
この場所で出せたのではないだろうか。

今回の優勝パレードで、弟弟子・高安は旗手をつとめ敢闘賞を送られた。
今度は、弟弟子の大関昇進に期待したい所である。

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