ad
田中角栄が一番怖かったのは、
私生活の問題を解決できなかった事だ。
ご存知の通り、田中角栄には真紀子さんのお母さんになる本妻、
私設秘書で『超山会の女王』と呼ばれた佐藤昭。
そして神楽坂の芸者さんとの関係を清算しなかった。
真紀子さんは神楽坂の芸者さんと角栄との間に生まれた
男性についてはお咎めはしない。
しかし私生活に入り込んできた私設秘書や、
彼女との間に生まれた佐藤あつ子さんの存在に関しては
由々しき問題であるし、あつ子さん本人も
親の生き方をずっと否定せざるを得なかった。
角栄本人は、それぞれの家で、すき焼きを食べ、
差別しないという気遣いまでしたそうだが、
それもまた油雑巾に火という結果に終わっている。
何がいいたいのか。
どんな名誉ある政治家でも、
私生活の問題を清算できなければ一流に程遠いという事。
組織や政財界で起こる問題も根底は同じ
米国大手コンサルファーム出身のカレン・フェランが書いた
『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です』が
出版された時、衝撃が起こった。
マッキンゼーなど名だたるコンサルが持ち込む、
理論、チャート、人材育成プログラム、
全てが役立たずだと、ぶちまけたからだ。
机上の空論ではない。
エンロンは潰れたのに、メインコンサルだった
マッキンゼーは潰れなかった理由。
業績を上げた人間は悪い面があっても
帳消しにされてしまう社会構造。
98%の人間が『自分は中の上』と思い、
その裏づけが欲しいからコンサルを雇う理由。
著者が挙げたこれらの実例は、
膨大な実体験に基づいている。
その結果、コンサルの持ち込むマニュアルが
どの様な過程を経て、紙切れになってしまうのか、
書かれているのだから、ショック以外なにものでもない。
そして彼女が出した結論は
組織で起きる問題は、私生活の中にヒントがあるという事だ。
本の中で、著者は、
企業や政治家たちの間で、日常的に起きている事柄を
『家庭』に置き換えたシナリオを出している。
例として挙がっていたのは、高給取りの女性が
どんなにやりくりしても家計が赤字になる話。
彼女が目標を立てても、会計ソフトを使っても
効力を示さない、何故なら、
彼女の家族は、いくら使ったかも興味がなく、
お金は、与えられた分好きに使っていたからだ。
この様な場合、家族なら面とむかって話しあえる。
家族の面々が好き勝手にお金を使い続けると、破産してしまう。
しかし会社や国家予算を預かる政治家にそれが出来ず、
コンサルを雇い、スプレッドシートの数字と睨み合いながら、
長々と会議をするのは何故だろう?
大事なのは面と向かった対話
この様な事から、今の政治家や会社のCEOに欠けているのは、
誠意ある話し合いではないかと思う。
昨今、一方的に自分の主張を喋り散らして主張し、
会談相手をなぎ倒す事を目的とする政治家が多いのは
嘆かわしい事実である。
この様な政治家に共通するのは、
私生活の問題すら清算できないからこそ、相手を理解させる
正しい政治手腕も発揮できないのでは、と思う。
今、あなたにオススメ
ad
関連記事
-
【安保法案可決】安全保障関連法可決・何故NOと言えない自民党になったのか?
2015年9月19日未明、安全保障関連法が、参議院本会議で、 賛成148票、反対90票で可決された
-
受賞は『ムーンライト』!まさかの番狂わせ、89回オスカー作品賞
第89回アカデミー賞の発表・授賞式が26日(日本時間27日)に、LAハリウッドで行われ、作品賞は
-
この春、ニクソン政権映画が熱い!今チェックしたいニクソン政権映画
ニクソン政権映画といえば、先月公開された『ザ・シークレットマン』が記憶に新しいだろう。 ©
-
江田氏が新党を作る理由、「金儲け」という渡辺氏の揶揄
江田新党の狙いとは みんなの党が分裂し、15人を引き連れて江田氏が新党結成を決意しました。江田氏は
-
防空識別圏は魚と資源の取り合い
海に接する国の場合、おおむね12海里の領海を定めています。そしてその外側に「防空識別圏」を別途に定め
- PREV
- 外国人の方が知っている?空中庭園展望台って
- NEXT
- ママカーストを増幅させる名刺の威力