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大手広告代理店・電通の入社一年目だった女性社員・高橋まつりさん(享年24歳)が
昨年自殺した件で、電通が書類送検されるかどうか問題となっている。
昨年、靴小売のABCマートやJCBが労働基準法違反で書類送検され、
企業の大幅イメージダウンとなった。
調度、下半期『就職したい企業ランキング』が発表されたばかり。
企業の書類送検と電通の在り方について考える。
企業書類送検とは
労働基準監督署によると、書類送検するには、
死亡災害の有無(自殺、病気)と
違法労働が常態・蔓延化しているという証拠がある『重大性』。
これらを『是正してください』という労働局からの勧告を受けても
是正する気配すらも見られず、悪質化する『悪質性』の
2つが成り立てばいいという事である。
電通過労死認定から、この国の非常識な「普通」を考える。 https://t.co/mMHGn7o0yC 東大を出て電通に入社し、わずか1年足らずで奪われてしまった命。生前に発信されたTwitterを見ると、睡眠時間2時間という超長時間労働や、上司によるパワハラなどの過酷な実態が
— 保坂展人 (@hosakanobuto) 2016年10月22日
しかし実際は難しい。
時間外労働の時間を少な目に申告する様に上司から
圧力を受けている社員も居れば、実際は時間外残業以外の雑務に
追われていたケースもある。
高橋さんの10月の時間外労働は69.9時間、11月は69.5時間と上限70時間
ギリギリオーバーしないように申告されていた。
不自然な申告だった為、弁護団が入館記録を調査した所、
11月7日までの時間外労働は131時間。
今回の高橋さんのケースのみならず、過去の電通の過労死のケースは、
全てこれに当てはまる。
重大性に関しては書類送検する要素はそろっている。
今回、電通には
過重労働を取り締まる専門の過重労働撲滅特別対策班(通称『かとく』)が
調査に入っているが、その要因として考えられるのは、
不景気だから過重労働となったのではなく、
バブル景気の余韻の残っている’91年にも新入社員の過労死事件
があったからだろう。
過去に電通で起こった過労死事件とは何なのか。
上司もまた壊れている
バブル景気の後の’91年に起こった新入1年目の社員過労死事件は、
ラジオ部所属の男性社員だった(享年24歳)。
素直で責任感がある完璧主義の社員だったが、残業続きで、遅い時は
出勤した翌日の5時頃帰宅、亡くなる直前は
3~4日の割合で連日の睡眠時間は30分~2時間
という壮絶な状態が続いていた。
電通の過労自殺事件を見ていて思うのは、あの人たちは受注側で大変だろうけど発注側でもあるわけで。代理店から仕事を受けている制作会社にいたこともある自分としては、その過労死レベルの代理店から仕事受けてる下請けは彼らより更に過酷…っていうのを見過ごさんでほしいと思うのです。
— カワココ (@kawacoco) 2016年10月17日
職場の労働環境が悪質化している点は、
彼を支えるべき同僚や上司が『人間的に壊れている』点で
書類送検出来るだろう。
電通の過労死について、昨日の診察時に主治医と少し話した。悲しいけど、犠牲者が出ないと対応しないのが行政だと。必ず近いうちに「長時間労働」が許されない社会になってくるよ、と。早くそうなって欲しい。というか、このご時世でまだ「気合が足りん」みたいな話を持ち出す人がいることに驚くよ…
— むーこ(mu-co)ADHD (@mumumumumu_co) 2016年10月22日
宴会では、上司や同僚はこの社員に革靴にビールを入れ飲ませ、
飲めなければ革靴で叩くというマネをして面白がっていた。
この男性は’91年に自宅で首をつって自殺。
にも拘わらず、電通に是正勧告が入ったのは、
大阪支社2014年、東京本社2015年と、あまりにも遅い。
その他にも30歳の男性社員が’15年に病死している。
【電通 3年前に死亡の社員も長時間労働が原因の過労死】
新入社員だった女性が過労のため自殺した電通。3年前に当時30歳で亡くなった男性社員についても、長時間労働が原因の過労死と認められていたことが関係者への取材で分かりました。https://t.co/tpxQ10AUV2— NHK生活・防災 (@nhk_seikatsu) 2016年10月20日
何故ここまでブラック化した会社が放置されているのか。
それには理由がある。
命より大事な仕事はない
多くのビジネスサクセス本の著者の履歴や内容を見ると
『過去に大手〇〇会社に居ましたが、労働環境がブラックだったので、
独立時には変えようと思いました。』
…というものが往々にして出てくる。
まるで
就職したい会社トップに入社し、ブラックだと判れば、
社外に出ていったものこそ勝者
という口ぶりだ。
別に彼、彼女らが悪いとは言わないが、
優秀な人材が会社を後にする事で残されるのは、
会社で頑張るしか道が残されていない人と、
新入社員である。
その結果がどうなるかは、言うまでもない。
命より大切な仕事はありません
高橋まつりさんの母は、記者会見の席でこう述べた。
承前)電通過労死事件を、残業時間やパワハラの枠組みに嵌めても解決も改善もしない。「お前の代わりなんていくらでもいる」なんていう会社じゃないんです。「お前ならできる」だから危ないんです。「いつだってお前の代わりになってやれる」とお互いに言える余裕が必要なんです。
— チャーリー (@CharlieSK) 2016年10月14日
電通は遺族に約1億6800万円を支払う内容で、和解が成立させたが、
電通に限らず、働く身の上の命を補償しなければ、
企業の未来はない事をしめしていると思う。
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