イズミヤ関東完全撤退、進出30年で幕

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H2Oリティリング傘下の総合スーパーイズミヤ(本社：大阪市西成区花園）は、今年5月に関東から完全撤退する事となった

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1987年に関東に進出してから、最大7店舗まで増やしたが、現在は検見川浜店（千葉県）のみ。今後は地元近畿に経営を集中するイズミヤ30年の歴史とこれからを追う。

関東一号店は、あの横綱の故郷

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イズミヤ関東一号店は、昭和62年（1987年）に開店した牛久店（茨城県）。ご存知の通り、横綱・稀勢の里の故郷で、横綱昇進の時には店に横断幕が貼られていた。
だが、大型ショッピングモールや業務卸スーパーが郊外に大型駐車場を確保し進出。都心にはテナントビルもしくはオフィスタワーを併用したビルが建てられるようになり、総合スーパーは苦戦。撤退を強いられる事となった。

1号店は今年2月1日に閉店。
H20傘下に入ってからは、’15年に木次店（島根県雲南市）、津高店（岡山市北区）から撤退し、中国地方完全撤退。西脇店（兵庫県西脇市）、福知山店（京都府福知山市）と、近畿山間部撤退。
中には、西宮店や西神戸店の様に震災の影響により閉店した所もある。では、過去にイズミヤは店舗拡大撤退した事があるのだろうか。

スクラップ・アンド・ビルドで生きてきた

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多くの百貨店がそうである様に、いずみやもまた呉服店から始まった。ショッピングセンターの業態に変えたのは、1968年（昭和43年）。
店舗のスクラップ・アンド・ビルドが見られるのは、株式の上場をした’73年、関東進出した’80年代前半、同業他社との提供した’00年代前半、
H20リティリング傘下に入った昨今
に集中している。

’73年に大和證券に株式上場する前は、日用品スーパーから総合スーパーに変わるという事で、多くの地元店舗を閉店させていた。
45年前は、梅田（大阪市北区）にイズミヤがあったというのだから驚きだ。
電車も地下鉄のホームも整備され、土地開発区画整理され、跡地に何が建ってるのかさえ判らない人の方が多いだろう。

この様に、イズミヤは過去の節目で店舗を拡大縮小してきた。三度目の正直、企業戦略として、そのやり方に疑問が生まれ、地元中心の戦略に絞ったと見られる。
大阪に約40店舗、兵庫11店舗、京都14店舗、滋賀1店舗、奈良4店舗、和歌山2店舗と、地元近畿ではこれだけの数になるが、ありとあらゆる面で競争にさらされるだろう。具体的な戦略は何なのか。

関西でのテコいれに集中

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今後、イズミヤは食品スーパーとして力を入れる。俗に言われる『デパ地下』のノウハウを借りる為、H20と組み、食材の仕入れは阪急オアシスと共通にし、効率化を図る。
イズミヤのパンが阪急と同じ100円パンになっているのに、気づいた人もいるはずだ。この辺りは西のイズミヤ東の西友と言われるように、総合スーパーとしてのライバル意識がみられる。

買物難民を防ぐ為、ネットスーパーのテコ入れを始め、枚方、千里丘、泉北、松原、今原、花園、カナート洛北、昆陽で取り入れている。これは他の店舗でも展開していくべきだろう。
それだけでなく、他のスーパーが導入しているチラシアプリも導入している。またH20とポイントサービスを共有している所も近畿在住の人間にとっては嬉しいサービスだ。

スーパーは消費者の厳しい目線に晒され競争の只中に居る。イズミヤであればイオン、ウォルマート傘下の西友、万代、平和堂、業務スーパー、成城石井などの高級スーパーから、独立系食材店、激安独立スーパー、食材店まで、イズミヤは相手にしなくてはいけない。
南あわじ店や、神戸ハーバーランド店の様に、テナントとして入った所の見通しの悪さから破産という末路を迎えるのは今後許されない。

H20は、イズミヤに赤字となった、そごうの再建を任せているようだが、そごうは、あべのハルカスの開発を赤字に追いやってしまった百貨店。
果たしてどうなるか。お手並み拝見である。