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最近は読みたい本はkindleで読む方も居られると思う。
1000円未満で読み放題プランも出た今、
ダウンロードして読んでみて後から手元に残したい本を
探すのはいい機会ではないだろうか。
読ませる本は、リアルな本
電子書籍でダウンロードした後もなおかつ、『リアルな本』として
本屋で手に入れたい本は
著者が人生で地獄を見ていて、なおかつ無心無欲である事。
先日も数件大手の本屋(紀伊国屋、ジュンク堂、大垣など)を回った結果
最も売れていたのが、
©講談社
『プライベートバンカー カネ守りと新富裕層』だった。
ドラマにもなった『しんがり』と同じ著者、清武英利氏が、
野村證券のトップセールスマンからプライベートバンカーに転じ、
タックスヘイブンのシンガポールで見た地獄を描いたノンフィクションである。
ノルマ100億円、本に出て来る富裕層の大半は実名
事実の恐ろしさを突きつけられ、震え上がるもの、そうでない者、
元新聞記者というでもある著者が、見事に書き上げている。
確かに彼らの生活は、私たちの生活とかけ離れている。
しかしそういう人間がどの様な生活をし、脱税をしているのか。
それを私たちに教えるには、この本は充分な情報を提供してくれる。
買っていい本、そうでない本の区別は
では、反対に、本人が酷い目にあったと言っているが
買わなくてもいいと思うもの、そうでないものの区別をつけられる本もある。
先ほども言った通り、本を書いた本人が無心無欲であればあるほど、
本は読み手に伝わる
買うべき本として挙げられるのは、
『空が青いから白を選んだのです』。
奈良少年刑務所の更正プログラムとして出された詩集だが、
無心無欲な彼、彼女らがなぜ加害者になったのか
加害者もまた被害者であるという事が、シンプルな文面からわかる上に、
私たちの人生概念を変えてくれる本でもある。
反対に買ってはいけないと思われるのは
自称『地獄を見たけど克服した』
と著者が本の中で吼え、読者に向かって説教する本である。
その代表格が『空気を読んではいけない(青木真也)』だろう。
小学校時代に発達障害と理解されず教師から酷い仕打ちを受けた事が、
彼の人生概念を決定付けたと思われる。
もしこの時に親や教師、1人でも多くの友達が
彼の心の内を察して接し方を変えていたら、彼はもっと違う
他人の心に寄り添い癒し、人々から学ぶ方向に行っていたかもしれない。
それでも総合格闘家としての戦い方や人生概念は、
本来戦うべき相手である自分から逃げ続けているに過ぎない
彼が人生で一番辛い時に、逃げていった周囲への
反逆の集大成がこの本と思えるのだ。
私自身彼の様な生き方をしている総合格闘家を知っているが、
やはり彼もコンプレックスと歪んだ反骨精神の固まりだった。
自分の敵は自分なのである。それを教えない本を読む意味はない。
ちなみに私の知り合いの総合格闘家は、人生を賭けた一番いい時の
王者決定戦に負けている、それも土壇場で自分に甘かったからだと思う。
SNSや、動画配信など、メディアがこれだけ発達している今、
読書にさく時間は限られている。
だからこそ自分の人生概念に響き、育ててくれる良い本を
読むべきだと思う。
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