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発症一週間以内で死の危険!劇症1型糖尿病とは?

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糖尿病は生活習慣が原因で発症する2型と、小児期に免疫細胞が誤って膵臓のβ細胞を破壊する事で体内でインスリンが作れなくなる1型(小児糖尿病)があります。

ですが、ここ10年来、何の前触れもなく、糖尿病になるが出てきています。

これが、劇症1型糖尿病なのです。名前の通り、生活習慣に一切関係なく、出てくる病です。

劇症1型糖尿病とは

劇症1型糖尿病とは、大阪医科大学内分泌代謝内科教授の花房俊昭氏が’00年に発見した病です。

発症後5~1週間で、インスリンを作る膵臓のβ細胞が瞬く間に破壊されてしまいます

初期自覚症状は、風邪、インフルエンザ、腹痛、急性胃炎と、殆ど変わらないというのですから、見抜けない事が多いのです。

風邪や胃腸炎だと思ったら、数日のうちに2リッターのペットボトルのドリンクを飲みほしても、まだ喉が渇くという程、喉が渇き、全身に倦怠感が襲ってきます。

その後、異様な腹痛が起き、水をガブのみし、前日深酒をしていないにも関わらず、一時間未満に一回お手洗いに行くようになると、既に膵臓内のβ細胞の殆どが壊れ始めていて、体の中でインスリンをつくれなくなっている事になります。

そのまま放置しておくと、急激な血糖値の上昇から、昏睡状態に陥り、死に至る事もあるのです。

発症年齢は30代後半~40代が多く、毎年300人事例が報告されています。
にも関わらず国の指定難病になっていないという病気です。

2型は生活習慣から、すい臓内のインスリンの働きが悪くなりますが、小児期に発症する1型もまた、形こそ違えど劇症型と発症するポイントは似ていると言われています。

本来であれば、2型と1型は、治療法を分けなければいけないのですが、患者の9割が2型な為、医師の中には2型糖尿病の患者さんしか診た事がないという人も居るかもしれません。

原因は

劇症一型糖尿病の自覚症状が出た場合は、患者さんは、総合病院の救急外来を受診する事をお勧めします。

この病気は、今でこそ医療機関に名前は知れ渡っていますが、きちんと病状を診察、判断し、適切な治療方法やリハビリを患者さんに指示できる医師は大きな病院にしかいないからです。

女性の場合は、妊娠後期もしくは、出産後2週間以内に発症しやすい事も、今までの患者さんの統計結果で判明しています。
妊娠後期の場合は、死産になってしまう危険性もあります。

原因は今の所、複数説が存在しますが、有力なのが、手足口病や高熱が出て、喉の奥に水疱が出来るヘルパンギーナを起こすエンテロウィルスと言われています。

厄介なのが、エンテロウィルスは、複数存在して、一度罹患した型のものには終生免疫が出来ますが、そうでない型には罹患します。
子供が昨年手足口病になったのに、今年もまたなったというのは、そういう理由です。

このウィルスに体の免疫力、特に内臓系の免疫力が弱っている時に、何度も罹患する事で、劇症一型糖尿病になる確率は高いのではないかと思われます。

治療法は

この病気の急性期は、インスリン欠乏症による、血糖の乱高下による脱水状態、意識障害、昏睡が起こる危険性があるので、医師の管理の元、輸液やインスリン投与が必要となります。

回復期には、カーボコントロールといい一日の炭水化物や糖分を摂る量を自分で計算し、血糖値をあげない様に、調整して食べる事と、運動療法も並行して行わなければいけません。
当初は、カーボコントロールが、かなり難しいという話も患者さんから聞きました。

急性期、安定期の患者に対し、医療機関が是非積極的に取り入れて欲しいと思うのが、インスリンポンプです。

©dm-net.co.jp

米国では、腕時計型のインスリンポンプが出てくるなど、既にポピュラーになっているが、日本では医療センターや、糖尿病治療に力を入れている所でないと、まだインシュリン注射に頼っている所も多いのです。

インスリンポンプは食事時間の変動や、患者のライフスタイル、そして何よりも患者の血糖値に合わせて、インスリンの皮膚注入量を、携帯電話大のコンパクトなボディで調整出来る事がメリットとなっています。

今では、1型糖尿病の根源から治す臨床治験が学会で進められており、原因となるエンテロウィルスでも、1型糖尿病に関連するのは、6つのエンテロウィルスであるという事が、’17年7月末ィンランドのタンペレ大学の研究チームで判明しました。

これが判れば、1型糖尿病発症予防のワクチンを作る事も可能だと言われています。

またノボ ノルディスク社は、’17年7月サンディエゴで開催された第77回米国糖尿病学会学術集会で、経口インスリン製剤「OI338」の研究に取り組んでいることを発表。
これが治験を経て、実現化すれば、患者はインスリン注射から解放されるわけです。

いかがでしたでしょうか。
劇症一型糖尿病は、いつ襲ってくるかわからない病気です。その一方で、医学界の尽力により、ここまで原因が解明されている事を忘れないようにしましょう。

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