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日馬富士暴行事件・2通の診断書の謎・貴ノ岩は重症じゃない?

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第70代横綱・日馬富士の暴行・引退疑惑が止まらない中、金曜日午後、日馬富士本人に対する取り調べが始まった。

現場での目撃証言、双方の親方の証言が食い違う中、事件の結論は何処へ向かうのだろうか。

事件現場はカラオケスナック

事件は、鳥取巡業を翌日に控えた’17年10月25日深夜の『モンゴル会』で起こった。

この親睦会は、元小結・旭鷲山(本名:ダバー・バドバドル)が、始めたモンゴル人力士を集めて始めたもの。

どうやって言葉を覚えるか、強くなるかを情報交換しあい、後は飲んでカラオケで歌うという親睦会だった。異国の地に来たモンゴル人力士同士が団結する会でもあったらしい。

今回参加したのは、横綱白鵬、日馬富士、鶴竜らモンゴル出身の3横綱。そして鳥取城北高校相撲部出身の関脇・照ノ富士、東前頭・貴ノ岩他相撲関係者だった。

一次会は現役力士の石浦の父親が経営する鳥取の店名『ちゃんこ石浦』で開催され、一次会の時点で酒のピッチはかなり上がっていたと関係者は語っていた。

そして事件のあった貸し切りの店の二次会だが、カラオケがあり、女の子の店員が居るという所から、鳥取県鳥取市吉方温泉1丁目の『ドマーニ』もしくは『カラオケ620』と確定されている。

鳥取巡業を翌日に控えた10月25日夜に“事件”は起こった。宴席には日馬富士と貴ノ岩のほか白鵬、鶴竜のモンゴル出身3横綱や鳥取城北高相撲部出身の関脇・照ノ富士、日本人力士や関係者ら10人前後が参加。1次会から酒が進み、2次会へ移ると雰囲気が一変した。
貴ノ岩は日馬富士から兄弟子に対するあいさつが足りないなどと注意されていた。その時、着物の帯に差していた貴ノ岩のスマートフォンが鳴った。

二次会に入ってから、日馬富士は貴ノ岩に対し、兄弟子に対する礼儀がなっていないと厳しく指導。それに対し、貴ノ岩は、
もう貴方がたの時代ではない。これからは自分たちが…と天下の横綱に対し、物言いをした後に、懐にさしていたスマホが鳴ったので出ようとしたというのだ。

これが横綱の逆鱗に触れぬはずがない。自他に厳しく、序列に拘る日馬富士。しかも彼はそうとう酒が入っていた。酒の入った日馬富士はブレーキの利かない暴走機関車状態だった。

『人が話をしている時に…』
烈火のごとく怒った日馬富士に貴ノ岩は2,30発殴られるがままになったという。白鵬や鶴竜も止めに入ったが聞かず、鶴竜は『お前がしっかりしないから、だめなんだ!』と一喝され、貴ノ岩と同部屋の照ノ富士も殴られたというのだ。

事件が発覚したのが暴行の半月後といういとも可笑しい事態になったこの事件。
貴ノ岩が所属する事件の詳細も第一報から二転三転しているが、親方の貴乃花(45:元横綱)が、被害届と診断書を警察と相撲協会に提出した事が事の発端だった。しかもこの診断書や暴力事件の詳細すらも事件第一報から異なっているというのだから、角界は判らない。

では、何故この様な事態になったのか。

2種類ある診断書の謎

まず診断書の件から見ていくと、親方が提出した診断書は
実は2通あった事が発覚脳外科医の観点ではありえない。

報道の第一報通り殴られたとして受けた怪我であれば、脳挫傷、脳出血という診断が書かれていないのは可笑しいし、髄液の漏れは疑いでなく確定で書かなければいけない診断内容だ。大相撲協会の春日野広報部長は、協会に提出された診断書と事実を比べてかなり困惑したそうである。

どうやら貴ノ岩の本来の症状は、怪我をした直後に、事件現場の近くの病院で作成されたものの方が正しいのだろう。その病院での診断書では頭蓋骨までの損傷もなく、動けるレベルという診断がなされていた。

論より証拠が、この写真。これは貴乃花部屋に稽古を見学に行ったという一般の方の投稿だが、貴ノ岩は今月の3日に稽古をしていたというのだ。見学に行った人達によると外傷は全くみられなかったというのだ。

事件現場となった『モンゴル会』に同席していた横綱白鵬は、関係者の話として報じられている『ビール瓶で殴打や馬乗り』を否定。

九州場所5日目の16日、取組後に取材に応じ、日馬富士の暴行したことを認めたが『2人は次の日に握手を交わして、納得していた。』と証言していた。
これなら事件翌日の26日以降、貴乃花親方と共に福岡県田川市長を表敬訪問した事は察しが付く。

では何故、貴乃花親方は、警察や相撲協会に訴えたのか。それは、貴乃花親方が、どうも様子がおかしい貴ノ岩を問い詰めたという女将さんの推測と、貴乃花が前から貴ノ岩に、他のモンゴル人力士とは距離を置けと言い聞かせていた事に原因があると見られている。

日馬富士と貴ノ岩の共通点は角界を人生のゴールと定めていない所だ。
貴ノ岩は、弁護士を目指し大学院に行き勉強していたが、それ以上に日馬富士の向学心は角界だけでなく他からも一目置かれていた。

母国モンゴル大学の通信過程を卒業し、警察官と弁護士の資格を所得。法政大学大学院・政策創造研究科に入学し週一回講義に参加していたそうだ。ディスカッションが中心の授業に、積極的に参加し、理解度も高く、留学生の中でも優秀だったという。

’15年には、銀座の日動画廊で個展を開く程の絵の腕前を披露。『僕は悲しい時に絵を描くんです。幸せな時は色が出ない』という言葉から判る通り、内面を深める事に人生の重きを置く性格だと判る。

©i0.wp.com

身内に厳しく特に酒が入ると歯止めがきかなくなると言われてきたのが日馬富士。

序列や礼儀を守らない弟弟子に対しては、タバコを押し付けたりした余罪もあるというのだから、災いの種は今にはじまった事ではないのだろう。

日馬富士としては、相撲や角界を引退した後の身の振り方を考えるのであれば、そのいい加減な態度を改めて欲しいと前々から思っていた弟弟子の筆頭が貴ノ岩だったかもしれない。そこに貴乃花親方の対応のまずさが加わったとすれば尚更だ。

日馬富士一人が悪いのか

今回の一件でとばっちりを喰らったと言えば、伊勢ケ浜親方(56:元横綱・旭富士)になるだろう。

伊勢ケ浜部屋のモンゴル人力士は日馬富士と照ノ富士しかいないが、2人とも暴行事件に巻き込まれたのだ。稼ぎ頭の力士が一転してこんな事になるとは親方は思ってもいなかったに違いない。

貴ノ岩の兄、ルブサン・アディアさんは、弟が泣き出しそうな声で事件の事を伝えてきたと言い、
『テーブルの上の酒の瓶を持って、手あたり次第ぐちゃぐちゃにして、弟を容赦なく何度も殴るなんて。モノを使って殴るのはあり得ない。酔っていようがいまいが、横綱にふさわしくない。本当に許せない。ちゃんと、われわれ家族にも謝ってほしい。』と日馬富士に対する怒りをあらわにしている。

日馬富士は、稽古熱心でファンサービスも定評がある。障碍者福祉や教育普及に熱心で、モンゴルの心臓病の子供への医療支援NPO「ハートセービングプロジェクト(HSP)」の会員となり、モンゴルの地方での検診活動の費用を懸賞金ですべて賄ったり、日本の小児循環器病棟への慰問活動を行ったりしていた。難聴の兄の事もあり、首都ウランバートルにある視覚・聴覚障害者のための雇用施設を運営にも力を注いでいた。

その分手を抜いている、気が回らないと思った身内や序列や礼儀を守らない者に対しては手厳しく接している。三役の時に新入幕で勝ち上がった
豪栄道に対し『三役を舐めるな』と睨みを聞かせる一方で、
稀勢の里には『あんなに頑張るなんて好きだなぁ』と手放しで褒めるという所も見せる。

貴ノ岩の九州場所の出場は絶望的で、来年1月の初場所は十両転落になる見通しだ。『通い親方』だから素質あると言われるモンゴル人力士でさえ育てられない、この様な問題を引き起こすと貴乃花親方もまた責任を問われるだろう。

平成22年に、元暴走族の人間に暴力をふるい傷害の疑いで書類送検され責任をとり引退した元横綱・朝青龍(本名:ドルゴルスレン・ダグワドルジ)が、一連の事件について『貴ノ岩も日馬富士を激昂させる理由が何かあったはず。相撲を応援している人たちの為に、事実を明確にしてほしい。』とコメントしている。

日馬富士の名前の由来は『大相撲界に陽をかざして大輪の花を咲かせたい』という意味で、本人は2020年の東京オリンピックまで現役であり続けたいという志があったようだ。
この志があったとしたら、貴ノ岩の引退を勧める様な言葉は間違いなく逆鱗にふれるだろう。一連の騒動、あながち日馬富士一人が悪いと言えないのではないだろうか。

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