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野党共闘であれば勝てたのでは?第48回衆議院議員選挙

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第48回衆議院議員総選挙(’17年10月10日公示)は、選挙直前に野党第一党の民進党が分裂し、非保守系野党三つ巴の混戦となった。

投票可能年齢を引き下げたにも関わらず政治無関心層が多くなり、蓋をあけると、
投票率は5割。415議席中、313議席、野党152議席と与党圧勝状態となった。

だが与党も安心して居られない。
これ以上政権が悪化するのが嫌だから
という理由で与党に入れた人もいるかもしれない上、今回に限らず
野党共闘であれば勝敗逆転した選挙区はいくつかあったのだ


愛知7区の様に、立候補者に対する抗議目的の無効票が目立つ選挙区もある中、今回の選挙、果たして与党圧勝と言えるのだろうか。

右が3割、左が2割、中道5割

全国の226選挙区で与党が勝利をおさめたのは183選挙区。そのうち『与野党一騎うち』となった57選挙区中では、与党39勝、野党19勝と、野党も負けてはいない。

が、全体の投票率を選挙区ごとに試算した所、今回選挙に勝利した与党のうち3割は、かろうじて勝てた状態だった事が判明した。

選挙区に換算すると、その数実に
63選挙区に、なるという。

日本人は右が3割、左が2割、中道5割と言われているが、これは選挙の得票数にも現れている。
右の3割は自公の得票数、左の2割は共産党を含む広義のリベラル派、中道5割は棄権を含む無党派層だ

2000年に入ってから、そうだ選挙に行こうと思った事は、筆者自身たった二回しかない。
それ以外は、選挙カーの上で、候補者が毎度叶わない事を言っているようにしか聞こえない。
では、自公が、かろうじて勝てたという例、具体的なものとはどんなものだろうか。

候補者の威厳で票数確保の実態

これは新聞社の調査で、実際野党共闘であれば、与党の当選が危なかった選挙区の一例である。
私の友人や親族が多くいるので、この表を参考に実例をあげると、京都一区は確かに危なかったらしい。

©asahi.com

京都一区の伊吹氏は、自民の亀井氏や、野中氏が引退した今は最高齢となり、’83年に衆議院議員総選挙に立候補してから議席を確保しているベテランだ。

その伊吹氏を追随しているのが共産党の穀田氏である。元々共産色が強い京都市中心部で必ずナンバー2まで肉薄し、今回は同郷出身というので、小沢一郎が異例の応援演説に駆け付けるという盛り上がりを見せた。
ただ、やはり野党として共闘する姿勢は、もっと求められる。

自民が強い地域の特徴といえば、農村部や自衛隊駐屯地、神社仏閣のある所で、同じ立候補者が長期議席だけでなく党の重鎮となる事がポイントだが、その要素を満たしているのが京都5区だった。
ここは農村、漁村が多く、海上自衛隊の駐屯地もあり、自民党元幹事長・谷垣禎一氏が12期務めた牙城でもあった。

しかし谷垣氏は、昨年自転車事故で頚椎を損傷し政界引退。公募で選ばれた公認の本田氏は、谷垣氏の弟で秘書の信行氏の支えもあり、当選する事が出来たが、彼のこれからの仕事ぶりを有権者は『お手並み拝見』とばかりに見ているだろう。ここも自民の牙城が崩れる可能性は高い。

その証拠に山間部の京都4区は、野中氏から外大出の田中氏にバトンタッチした途端25000票も票が減ってしまった。今回は少しばかり持ち直したようだが、これは他に入れる党がないという地元の人の嘆きなのだろう。

この様に自民が第一党になった所でも、数年後の勝敗は判らない地域は既に出ている。
選挙を支持する団体に左右されにくい他の京都の選挙区では、過去に民進党の候補者が当選していた。

しかし今回、選挙中に希望の党から出馬した京都3区の泉氏や京都6区の山井氏に、戸惑いからくる失言が目立ったのは拒めない。


この2人は前原氏の犠牲になったと言っても過言ではないだろう。

古都ひとつをとってもこの混戦ぶりである。
もしも野党共闘であれば、確実に政権交代する所はあったであろうし、候補者同士が余計な気を遣うこともなかったのではないだろうか。

過去の投票率は劇的に高くない

希望の党は、現在棄権していたり白紙投票をきめこむ無党派層を自分たちの方に取り込んで、この選挙に勝利しようとしたかもしれない。だが、そんな事は誤算だ。
実際に希望の党が勝利する為には選挙率が8割ないといけない。8割の選挙率など、戦後はじまっての選挙でもなかったかもしれないのだ。

民進から希望の党に移る政治家に対し政策方針の確認という意味で『踏み絵』を行ったのも、票獲得の面では良くなかった。この犠牲は後々まで響くだろう。

過去に盛り上がった時の選挙率を振り返ってみても、実はそれほど高くない事が判る
自民党一党支配が崩壊した’93年7月の第40回衆議院議員総選挙の投票率は67.3%。
民主が与党になった時の’09年の衆議院議員総選挙は69%。いずれにしても選挙率7割も超えていないのが判る。それでも記憶に残っているのは何故か。『普段選挙に行こうと思わない人』の半数が選挙に行ったからだろう。

事実、’09年の選挙結果は、民主、社民、共産の連立で3783万票、自公は2808万票、比率にして4対3で野党と与党が引っ繰り返った。だが政策が実現しなかった為、元に戻ったという事になる。

今回の衆議院選挙は、森友・加計学園問題や、議員不祥事もあり、自公も勝敗ラインを233議席とギリギリの所に定めたのは、苦戦を強いられることを覚悟していたからだろう。
今回300議席以上確保出来たのは、あくまで、敵失によるものであり、それで国会で法案を通しても意味はないのではないかと思う。

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