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大手企業の社長、役員が素性を隠して現場に潜入。
問題を見つけ対策を練るというNHKの『ボス潜入』が
只今、休止している。
続けて放映するには、企業の承諾もいるのだろうが、
世間の反応はどうだろうか。
初回はなかなか面白かった
初回放映に決定したのは、日本交通の社長・川鍋一朗氏。
米マッキンゼー出身で、帰国後に社長に赴任した時は、会社が
1900億円もの赤字
経費削減の為、子会社を切りまくり冷酷非情と恐れられると同時に、
現場の事は何も知らない典型。
バレるバレない以前に、この人大丈夫?
というぐらいボスは頼りないのである。
どの会社のボス、取締役もそうなのだが。
それで何故従業員が逃げないのか不思議でならないぐらい。
そこでボスは、母子家庭のドライバーが、どうやって客を拾うのか、
というマニュアルにない地道な努力が全てに繋がる事を教えられる。
はたまた僻地でお年寄りの送迎するベテランドライバーには、
車、洗った事ある?
…と、お坊ちゃん育ちで、叩き上げではない事を見透かされる。
社長から見れば『売り上げ優先でも『現場』からみればそうではない。
番組はラストに、ボスが正体を明かし、現場での問題を目の当りにしたので、
それに対する対処法を考えすぐ実行に移す、というテロップが出ている。
だが、これでいいのだろうか。
ちなみに、この回に出ていた川鍋氏は社長を退任し、同社の会長になっている。
今後、この様な番組を存続させていくには
普段はいらないカメラが職場に入ってくるというだけで、従業員は警戒する。
しかもNHKである。
現場は、あ~何か来たんだなぁ、という感じになる。
匿名性の高いメディアが横行する日本では、この様な番組を作るのは、
今後難しくなるのではないか、と思うのだ。
では、世間様が『やらせ』と揶揄する前にこの様な番組で出来る事は何だろうか?
解決法は1つ、現場のスタッフから、
どうせ、本社にかけあっても無駄だから。
部署に掛け合っても人数を補充されない。
この様な不満が出てくるのであれば、その要求を素直に
受け入れるボスでなければいけないだろう。
海外の原作が好調な理由は
元々『ボス潜入』は、BBCの海外ドキュメンタリー
『Undercoverboss』の放映権を獲得していたNHKBSが、
米国などに続きリメイク権を獲得した。
では、元々の『Undercoverboss』が長続きしているのに、日本では早々と
翳りが見えた理由は何だろう。
1つは、人種の単一化。
もう1つは、取材協力する業種の少なさだろう。
原作に出てくる動画ではマイナーな、アトラクションカンパニーも積極的に出てくる。
日本では考えられない光景かもしれない。
この点を考慮し、日本の『ボス潜入』の今後の方針は作り直せばいいかもしれない。
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