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一般に、アルコールや煙草などの嗜好品、パチンコなどのギャンブル、
大麻などの麻薬の依存症は、抜けられない依存性が高いとして注意されている。
しかし現代の研究で、それ以上に抜けられない
危険な依存性の高いものがあるのが、SNSだというのだ。
人を繋ぐのが本来の役割であるはずの、SNS。
何が問題なのだろうか。
嗜好品や睡眠よりも抗いもの?
シカゴ代経営大学院の調査では、日常生活の欲求の中でも、
SNSの更新をチェックしたいという気持ちは、お酒や煙草など、
嗜好品への誘惑より大きいという事が判った。
これは200人の被験者を対象にした実験の結果で、
睡眠の次に抗いがたいものとして、挙がったのが、
実はSNSの更新情報だったということなのである。
意外にも、昔から中毒性が高いと言われ、
依存症のリハビリの会まで開かれているアルコールは、
SNSへの依存に比べて低かったのである。
これにはいい実例を示した映画がある。
死んでるのに、イイネ?
日本未公開の映画に『Facebookで大逆転』という映画がある。
日本未公開映画で、気になる映画をピックアップし、
期間限定で上映するという、テアトルシネマグループが主催する、
上映イベントで上映された作品だ。
主人公のマイケルは、オジサンが入ったSNS依存症の駐車取締官。
毎日しつこく誰にも見て貰えない、どうでもいいであろう、自己中な投稿を
連投し自己主張し、煙たがれている。
そんな彼は、ある日、親友と思い込んでいた男が、マイケルを誕生パーティーから
ハブいた事にショックを受ける。
本当の理由は招待客の中に、マイケルを毛嫌いする男がいたから。
マイケルは知り合いの男のアカウントを使い『自分のニセの訃報』をアップする。
わざわざ死亡証明書まで作って。
しかしその結果
死んでるのにイイネを貰うという残念なオチになる。
映画のクライマックスで、マイケル本人が生きていると判った途端、
またもや波乱が巻き起こる。
イイネが付くと、ある種の脳内麻薬(ドーパミン)が出てきて、
それがきっかけで脳の中にしめるSNSの割合が多くなる。
これがSNS依存症の原理だという。
この映画では、極端な例で『死んでまで依存したいですか』という
皮肉な目線で問いかけている所が、鋭い。
映画の中で、マイケルに付きまとうナゾの女性が出てくるが、
彼女は、この映画の監督である。
謎の女性は、劇中SNSに依存しない視点でマイケルの前に
何度も立ちふさがるが、マイケルはFBをやめない。
死んでイイネと言われているのに。
この映画のオチが、SNS依存を見事に描いていると思う。
SNSは、同じ志や趣味を持ったもの同士と、緩やかにつながる分には、
いいツールかもしれない。
だが、SNSによる感情の縛りや、人間関係の縛りが出ると、
自分の意思に関係なく、SNS依存となってしまう事もある。
気が付くと、自分の意見に対する賛同者が大勢出てくるまで
ずっと周囲の友達のSNSの更新をチェックしていたり、
自分もまた、イイネを心待ちにしているようでは、
寂しいのではないかと思う。
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