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海外からの観光客が増える一方で、
ある意味需要と供給がマッチしていないのが、
宿泊施設。
建設会社や、ホテル業界の主観は、
高級路線の超高層ホテルを作り、一流のホテルマンを
育成すれば、観光客は満足なのだろう
…となっているが、そんな大手宿泊業界に
一石を投じる動きがあちこちに出来ている。
滞在費を浮かせる事がリピーターの最大の目的
爆買い目的の旅行客や、情報量の少ない観光客、
富裕層を除いて、リピーターは、
旅行前にリサーチを重ね、滞在費を浮かせる事に重点を置いている
そんな彼、彼女らが滞在場所に選ぶのがゲストハウスである。
しかし単純に、部屋代が安い代わりに、相部屋覚悟、
シャワー、キッチン共有という事を歌い文句にしている
ゲストハウスに、観光客は集まらない。
昨今、予約1か月待ちというゲストハウスには、
それなりの戦略があるらしい。
人気のゲストハウスは、どこも満室の理由
東京・日本橋にある
『IRORI Hostel and Kitchen』もそんな人気ゲストハウスの1つだ。
昨年10月に出来たばかりというのに、人気が出ている。
主要地下鉄、JRの駅から近く、江戸時代からある旧問屋ビルを
リノベーションしているというだけあり、多くの人が集まる。
ネーミングの由来となったのは、
エントランスを入った所に、囲炉裏が2つあり、その奥に
キッチンがある作りになっているからだ。
5階のみ女性専用となっており、他は相部屋のドミトリー方式。
料金は3500円/一泊となり、連泊割引やwifiも使える。
東京には、この様なゲストハウスが下町にもいくつかあり、
いずれも小規模な上、リピーターが多く、
予約で満室な場合がある。
では、この『IRORI Hostel and Kitchen』を手掛けた人物はどの様な人なのか。
ゲストハウスから出来る新たな人の流れ
『IRORI Hostel and Kitchen』を手掛けたのは
数々のバブル期の不動産遺跡を再生してきた、
『Rプロジェクト』の丹埜倫(たんの・ろん)。
元リーマンブラザーズの証券マンで、
スカッシュの日本代表として世界選手権に出場されている経歴を持つ。
そんな彼が、手つかず状態で放置されている保養施設を見て
元証券マンとしての勘から、これを企業合宿の場や研修施設に
生かせないか、と考えた所から、事業はスタートしたらしい。
『Rプロジェクト』は’06年に発足した会社で、元々は、
バブル期に大会社や学校法人が手掛け、放置した、大型保養施設の
再活用を手掛けてきた。
そして今回、丹埜氏が目をつけたのは、都心一等地にありながら、
中途半端な年数がたっている手つかずの物件。
これらをリノベートし、ゲストハウスにし、
新たな人々の流れを作る事だ。
現在、『IRORI Hostel and Kitchen』では、ワークショップが開かれ、
宿泊者と訪れる人々との交流があり、
Rプロジェクトの試みは成功していると言える。
これから外国から迎える観光客向けのサービスは、
この様なゲストハウスも徐々に増えていくのではないかと
私は思う。
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