【しんがり】『しんがり~山一證券最後の12人~』は何故支持されるのか?
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今、WOWOWで『しんがり~山一證券最後の12人~』が放映され
密かに注目を集めている。
1997年に破綻した山一證券の残務処理にあたったのは、
『ギョウカン』とよばれる島流し場所に送られた人々。
出展:WOWOW
社内からわれ先と再就職の為に、社員が逃げ出していく中で
最後まで残った12人の生き様を描く姿に共感する人も多いはずだ。
何故このドラマがここまで注目を集めるのか。
原作はジャイアンツの元GM清武氏
書店では原作本が平積みされ、その内容の濃さに、
手にとって買っていく人が後を絶たない。
久々の企業を舞台にしたノンフィクション傑作とも言える。
著者はジャイアンツの、元GMとしても有名な清武英利氏。
読売新聞社時代には社会部の記者として四大証券の
損失補てん、紛失疑惑などをスクープしてきた辣腕記者だった。
辣腕記者時代の清武氏は、
派手、目立つ人間をスクープする事がいい
と思っていたらしい。
そうではなく、社内から見捨てられた人々がいかにして
素晴らしい仕事を残したのかという点に着目し
清武氏が原作を上梓した事が、ドラマの人気の根底にあるのだと思う。
民放ドラマも負けてはいない
『しんがり~』の様に、企業内でのリスク管理や破綻、疑惑、粉飾を
扱ったドラマは今まで民放では放映されていなかったのだろうか?
今年の夏ドラマとして放映されていた堤真一主演の
『リスクの神様』は、これに当たる。
サンライズ物産という総合会社に
米国から赴任してきた危機管理の専門家が堤真一の役。
だが、彼の父親は実は20年前に会社の粉飾疑惑の責任を
一手に背負ったという設定だった。
さらにそれが石油やガスをはじめとする国際燃料利権だけでなく
軍事物資の供給に物産会社が関わっていたという最終回は、
続編を期待させる終わり方になっていた。
ライバル多数の中、健闘した方とも言えるのではないだろうか。
今期の夏ドラマは、『ナポレオンの村』、『花咲舞が黙ってない』、
深夜枠には『民王』とライバル多数かつ、
スポンサー、視聴者受けしやすいテーマを持ってきたものが出揃った。。
その中、あえて人やスポンサーが目を背けるテーマを掘り下げ
録画数ランキングのトップ5に食い込んだ。
しんがりというのは、負け戦になった時に、
最後まで残って戦う兵士の事を言う。
お得感がなくなったら去ってしまう人たちとは一線を画す。
お得感がなくなったら去ってしまう、その場に居ないのは
ただの強気の小心者の役立たずである。
バブルが崩壊し、会社に尽くしても
何のメリットも得られないと考えた合理主義者が多くなった。
そんな人たちに、この2つのドラマが評価されている
理由を知って欲しいと思う。
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