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ネット上で、無料で名作が読める
『青空文庫』。
TPP発令で運営の危機に立たされているその理由とは?
青空文庫って?
青空文庫とは、
日本国内において著作権が消滅した文学作品を
ネット上に公開している電子図書館。
日本では、著者の死後50年経過すると、
著作権が切れる。
2015年10月現在の蔵書数は、
約13313作品
その内訳は、明治から昭和にかけての日本文学の他、
著者により無料閲覧が認められたもの、
外国の翻訳作品などである。
その汎用性の広さから、PCのみならず、スマホ、
kindleなど電子書籍媒体でも読めるという事から、
多くの支持者を得る事が出来、
ネット世界では珍しく息の長いサイトとして
運営されている。
運営は全てボランティア
青空文庫の運営は、文字入力も全て
ボランティアの手で行われている。
作品を底本(原本)を損なわない様にオンラインに
再現する為に、最低限のルールを作り、
それを守れる人のみが、参加出来る仕組みになっている。
それだけではなく、
作品を入力する『入力者』と校正担当の『校正者』を
別々にする事で、誰がオンラインで読んでも違和感のない
作品に仕上げている。
しかし底本が書かれた時代が古く、現在では判読が難しい場合は、
校正も困難になり、校正まちの原稿がオンラインで
残っている状態である。
その他にも、入力まち、校正まち、作者の没年が不明で
『死蔵』となった本など、様々な問題を抱えている所に、
今回TPP問題が降りかかってきた。
なにがいけなかったのか?
TPPがふっかけた著作権延長法とは?
TPP(環大西洋経済連携協定)は、貿易協定で
関税を撤廃しようとしただけではない。
著作権延長にも働きかけている
今まで著作権の死滅は、著者の死後50年後だったが、
これを
70年に伸ばそうというのだ。
実質上、そんな事をしても、著者の子孫が受ける利益は
欧米で1%、日本ならばもっと少ない
有名人の子孫にこだわらない人も多い欧米では、
この様な考えは信じられないはずである。
では誰がこの様な法案をけん引したのか。
考えられるのは、ディズニーである。
著作権の問題がやり玉にあがる度に、
ディズニーは、ミッキーマウスやクマのプーさんの
著作権が切れるからと、何かと著作権延長を
懇願する法案を政府に送りつけてきた。
著作権に対する法案は、向こうでは
ミッキーマウス保護法
と呼ばれる由縁はここにある。
ディズニーそのものは、ミッキーマウスや
ハッピーエンドのおとぎ話だけでは
食べていけないので、様々な映画会社を買収し、
その著作権で屋台骨を支えている状態である。
この様な事態を、名作の著者や、電子書籍の関係者が
許すはずもなく、今回の法案を受け、
本格的な発令があるまでは現行著作権のまま。
著者の死後50年後に、作品を公開する事になるという。
なんといっても、来年著作権が切れるといえば、
山本周五郎や谷崎潤一郎などがあるし、
5年後には、三島由紀夫の作品も著作権切れになる。
海外の文学も電子上で無料で読めるようになれば、
いう事はない。
これは日本人だけでなく、海外の人も
志は同じなのではないか。
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