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貴乃花親方の引退劇で角界の陰湿な揉め方が露見する中、渦中の人物が正反対の行動をとった事で争いを免れたのが、今回の自民党総裁選だ。
©toyokeizai.net
’18年9月20日に行われた自民党総裁選の投票日。総裁選のキーマンと言われたのは筆頭副幹事長の小泉進次郎だった。
え、また小泉進次郎さん、沖縄入りですか…。こうなると、どっちが主役か分かりませんね。さきまさんは、オモテでもウラでも東京に頼りっぱなしの選挙戦ですね。#さきまあつし pic.twitter.com/FSXUue4t6I
— 布施祐仁 (@yujinfuse) 2018年9月26日
当初から安部首相3選が濃厚と言われていた今回の総裁選。安部首相の勝利には変わらなかったが中身は石破氏の地方善戦。
【自民党総裁選】早くも「次」に向け石破茂元幹事長が始動 まず地方行脚再開へhttps://t.co/ffTuESrSY0 pic.twitter.com/MKhqPnmkYX
— 産経ニュース (@Sankei_news) 2018年9月26日
何よりも、投票日当日土壇場で進次郎氏が石破氏の支持を表明した事を明らかにした時は世論の動き様がなかった。
この強かさはどこからくるのだろうか。
優等生子役らしく強かに
小泉進次郎は37歳なので、自民党議員の中では若手に見られるが衆議院議員としての当選回数は4回。安部首相も当選回数の多さと注目度を考慮して一度は官房副長官の座をオファーしたが本人は断っている。
今回の総裁選を振り返り、進次郎氏はこう語っていた。
政治は世界の戦、武器を持たない戦争の様なものだと思う。それに対し、どうやって生き抜いていけるようにするか、今回の総裁選は学びが多かった。
告示前に安倍総理陣営から『石破氏の推薦人となり街頭演説に立つのではないか』と影響力の大きさをささやかれた進次郎氏。それについても彼はバッサリと切り捨てた。
『私が表明しなかったからこそ2人の違いや、論争に注目が集まった。TVが私を映すのはおかしい』
ギリギリかつタイミングの良さを見計らった表明は頭の良さと、注目されている事を考慮した上での事だ。
これに対し萩生田光一幹事長代行は『自信をもっているのがすごい』と皮肉ったが、既に党内ではやっかみもでている。
そこまでして強かに立ち回らなければいけない理由はどこにあるのか。
圧力があった事はさけられない今回の総裁選
今回の総裁選は、553対254で安倍首相の圧勝だが、国民世論に近い『党員票』では予想を大きく上回る45%を石破氏が確保。
石破氏についた政治家たちは『冷や飯を喰らう覚悟で戦っていた』と政治アナリストたちは分析する。
斎藤農水相もその一人だ。
『安部応援団の一人に言われました、『斎藤よ(安部)内閣にいるんだろ?石破さんを応援するんだったら、辞表を書いてからやれ』と言われまして、ふざけるなと。』
神戸市議の岡田ゆうじ氏は、石破氏の会合に行く際に、安部総理側の議員から圧力をうけたことがきっかけとなり、石破氏の支持をFacebook上で表明。圧力をかけたとされる議員は否定している。
政治アナリストの伊藤氏によると、今までの総裁選にもこの様な圧力は日常茶飯事としてあったが、パワハラ問題が表面化した現在、深刻に受け止められたのではないかという事だった。
安倍晋三首相が連続3選を決めた自民党総裁選。最後に演説した秋葉原では、支持者以外が近づくのを規制する動きがありました。公共空間で、どこまで許されるのでしょうか? https://t.co/6C0gYNZhyq
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) 2018年9月21日
東京五輪後の本格活動を目指す進次郎氏は、今回の総裁選はキーマンとみなされてきたが、今後も同じ様な選択は東京五輪までに迫られる事はあるだろう。
その時も今回の様に『土壇場の表明』をすると政治家としての信用を失いかねない。
では進次郎氏が、閣僚人事を狙うのはいつなのだろうか。
閣僚人事を狙うのは五輪後
進次郎氏と同じ神奈川県出身の菅官房長官は、’18年7月下旬の講演会で、将来の総裁候補として河野太郎外相と小泉進次郎の2名をあげていた。
©diamond.jp
今回、進次郎氏が石破氏の支持を土壇場表明した理由は、安部首相というよりも官房長官の顔をたてたのではという推測が最も近い。
山本一太政調会長代理は、小泉進次郎を『自民党という巨大劇団の天才子役出身の役者』と表現する。まだ大舞台を踏んでいないから本当の評価を受けていないという事は本人が一番よくわかっているはずだと。だからこそ一挙一動に慎重になっているのではないかと。
政界は一寸先は闇。どんなに期待されている政治家でも引きずり降ろされる事はよくある話だ。なんとしてでも総理の道を突き進む為に彼は着々と準備しているのではないかと各官僚はにらんでいるという。
唯一閣僚たちが心配しているのが、進次郎と同じ力を持つスター級の政治家が、自民党にいない事だという。彼だけにスポットライトが当たるという状況はいかがなものかというのだ。
ほとんどの政治家が若い頃から、同じ政治手腕を持つ政治家たちと切磋琢磨して生き延びてきた。進次郎にはそれがない。ただ先輩政治家のやり方を盗むように見て学ぶだけでは本当の学びとは言わないのではないかというのだ。
政治に詳しいタレントたちからは、重要なポストについてからが進次郎氏の本領発揮だという。彼は父親・純一郎氏を超える事が出来るかどうかは、その時に判るだろう。
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